年始の読書 2015年の3冊 今年のテーマは「ソマリア」

11:49




毎年年始のお休みに同じテーマの本を3冊読むことにしてます。
2015年のテーマは「ソマリア」

ソマリアというと「ソマリアの海賊」という名称で聞いたことがあるかもしれません。アフリカ大陸のインド洋側。アラビア半島の下につきだした角の部分がソマリアです。



・動機

ここ3年ほど地中海沿岸によく旅行に行きましたが、そこで見かけるのは侵略と戦いの歴史。民族との対立、宗主国と植民地・・・。
そんなところからこのエリアの世界史をちょっとずつ読んでます。

・ソマリアについて

ソマリアは、放牧民ソマリ人の住むエリア。ソマリ人は10世紀ごろに来たようですが、土地自体は紀元前2600年ごろにプントと言う国がエジプトと交易していた歴史があると言われています。大戦中は、北部はイギリスに、南部はイタリアに支配されていましたが、1960年独立。その後度重なる内戦で国がまとまることはなく今も、ソマリアは国土全体を統治する政府機能はない状態だそうです。ちなみにソマリ(ア)は、イタリ(ア)と同じ国としての接尾語とのこと。
現在日本の外務省では、危険度大として全土で避難勧告、旅行は難しいエリアです。

・まとめ感想

まとまった知識が得られるのは、3冊目の本。
銃撃が日常にある風景、無政府状態とはどういうことか、なぜこうなったのか、アフリカ北東部の文化や暮らし、ソマリアの海賊とは何なのか、氏という社会組織と、ヘールという契約制度。

3冊目の本では、民族ではなく、氏という概念を、日本の歴史にたとえて作者の高野さんが説明してくれるので、覚えにくいこのエリアの人の名前もすっと入ってきます。ナイスアイディア!

個人的には
ディアポスラ(在外国ソマリ人)が国外にいながら、資金と人脈ネットワークを駆使しネット上で政府を作り宣言してしまえば、国になりうるという可能性の話が面白かったです。

■1冊め:土漠の花
はじまりはこの本でした。たまたま知っている人が面白かったというので読んでみた。

・ストーリー
ソマリアに派遣されている自衛隊の小隊が基地から離れた場所での作業中、埋蔵された地下資源をめぐった現地の民族抗争で追われる女性が飛び込んでくる。共に追手の現地ゲリラに追われ、生死をかけて戦うことに。

2冊め:ソマリアの海賊

ソマリアといえば海賊、Amazonで検索したらぴったりの名前の本があったので購入。ただしコチラは小説。だいぶ内容がぶっ飛んでました。でも小説を読んでいくうちに、ソマリアという知らない国の現状が少し身近に感じられる様になります。

・ストーリー
自動車会社のエンジニアの倉木は、会社の所有だった中古車を探して、誤ってソマリアの地に来てしまう。謎の民族の長らしき老人、街中での銃撃、街を走る日本の中古車、海賊船、核弾頭ミサイル・・・果たして倉木は日本に帰れるのか?

3冊目:謎の独立国家 ソマリランド

小説ではとうてい知ることのできないルポを発見。作者の高野さんは、早稲田大学の冒険サークル出身で、こういった未開の土地の体験ルポを書く名手だそう。

・ストーリー
作者の高野さんの体験ルポ。ソマリアには、国際的には認められている国が1つ、認められていない自治されている国が大きく2つある。南のソマリア、東のプントランド、そして北のソマリランド。同じソマリ人が住みながら、氏同士がルールに基づき武装解除し、平和に暮らすソマリランドを中心に現地の暮らしをレポートする。


You Might Also Like

0 コメント